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なよ竹の鶯姫!?


 現在、柳田国男の『日本の昔話』(新潮文庫 1983年)を読んでいるのですが、
その95~96ページにこんな話が載っていました。

 鶯姫

 昔々駿河国に、一人の爺がありました。山で竹を伐って来て色々の器を作り、それを売って渡世にしていたので、竹取の翁と謂い、又箕作りの翁とも古い本には書いてあります。
この箕作りの翁は或日竹林に入って、鶯の卵が巣の中でただ一つ殊に光かがやいているのをみつけました。それを大切に家に持って来て置きますと、おのずと殻が割れてその仲から眞に小さな美しいお姫様が生まれました。鶯の卵から生まれた故に、鶯姫と名を付けて、自分の子のようにして育てました。だんだんに大きくなって、後には又とないような綺麗なお姉さまになり、光りかがやく故に又かぐや姫とも呼ばれました。箕作りの翁の伐って来る竹の節の仲には、いつでも黄金がいっぱい詰まっているようになって、元は貧乏であった老人が、僅かのうちに大そうな長者になってしまいました。その長者の美しい姫のところへ、むこになりたいと言って色々の人が尋ねてきましたが、いつも長者の親子からむつかしい問いをかけられて、それが答えられないので困って帰っていきました。時の天子様はかぐや姫の光かがやくような美人であることをお聞きになって、狩りの御遊びの序(ついで)を以て駿河国まで姫を見においでになりました。そうして都に上って御妃になるように、お勧めになりましたけれども、思う所があってこれをさえ御辞退申し上げました。その年の秋の八月十五夜に、月の光が清らかに、空いっぱいに照り渡っている時、真白な雲が迎えに来まして、かぐや姫親子は富士の山の上から、天へ上っていってしまったそうであります。その折にこの一首の歌を添えて、死なぬ薬という者を天子様に差し上げました。
  今はとて天の羽衣着る時ぞ君をあはれと思ひ出でぬる
 天子様はこの和歌を御覧になって、大そう悲しみなされたということであります。そうして死なぬ薬にも用はないと仰せられて、天に最も近い富士の山の上に持って行って、それを焼いてしまうように命ぜられました。それから久しい後まで、富士の煙と謂って、常にこの山の頂上が燃えていたのは、その薬を焼き棄てた煙が永く残っているのだと言い伝えられたそうであります。


 細部に違いはありますが、『竹取物語』そっくりですね。亜種なのでしょうか?
実は、中国にも、四川などを中心として、『竹取物語』そっくりの昔話があるのですが、
これについては、またいつかお話するかもしれません。

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沙悟浄について簡単に

 樋坂修理の雑箋さんで少しだけ、河童の話が出てきたので、少しだけ。

 沙悟浄というと、なぜか日本では河童であると考えられがちなようですが、
これはまったくの間違いであり、すでに様々な書籍で指摘されていることです。
たしかに、河童のモデルは中国の水虎であるという説はありますが、
河童のような、頭に皿、背中に甲羅を背負った妖怪というのは、
私は寡聞にして知りません。
「河童」の呼び名のほか、「河伯」という字を当てることもあるようですが、
中国で「河伯」というのは、河の神様、つまり黄河の神様のことであり、
あまり直接的な関係はないかと思います。
そもそも、沙悟浄のモデルは、史実の三蔵法師が流砂河で出会った
深沙神(もしくは深沙大将)だといわれています。
 その姿は、

 頭はざんばら髪が逆立ち、顔は恐ろしい憤怒の形相、
頸には七つか九つのしゃれこうべの瓔珞をかけ、腹部には愛らし童子の顔を現ずる。
左手に蛇を持つこともあり、
また両膝には象の頭がついていて、その長い鼻がにゅっと突き出ている。

とあり、とてもではありませんが、河童とは似ても似つかない姿をしています。
西遊記に出てくる沙悟浄の姿も、だいたいこんな記述であり、
おそらく沙悟浄が河童であるというのは、沙悟浄が水とかかわりが深いというだけのものだと思われます。

 <参考文献>
 二階堂善弘 『中国妖怪伝』 平凡社新書 2003年、64~65ページ
 中野美代子 『中国の妖怪』 岩波新書 1983年、146~153ページ

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日本の鬼と中国の鬼について(2)

昨日の続きです。今日は非常に長いです。
今日は、図書館で少し調べてきた「鬼」という漢字の起源と、
日本語の「おに」の起源について少し書きたいと思います。

まず、漢字の「鬼」についてですが、これについて、白川静氏は以下のように説明しています。

 鬼の形。人鬼を言う。[説文]九上に「人の帰する所を鬼と為す。人に従ひ、鬼頭に象る。鬼は陰キ賊害す。ムに従ふ」とあり、ム(し)を陰気を示すものとするが、古くは鬼頭のものの蹲踞する形に作り、ムは後に付け加えたもの。字は畏れると相近く、畏忌すべきものを意味した。
                      (白川静 『字通』 平凡社 1996年、241ページ)

 鬼は人鬼の形。[説文]九上に「人の帰する所を鬼と為す。人に従ひ、鬼頭に象る。鬼は陰キ賊害す。ムに従ふ」とするが、ト文・金文の字はムに従わず、ただ鬼頭の人の形に作る。畏(い)と字形相近く、畏は呪杖を持つ形。人鬼のおそるべき呪能を畏と称するのであろう。隠は隠れたる神のことであって、人鬼ではない。鬼・畏は双声の語。カイ(やまいだれ+鬼の字)は壊と同声。
                      (白川静 『字訓』 平凡社 1987年、186ページ)

 非常に難しい説明ですが、要するに「鬼」とは、人鬼、すなわち幽霊のことで、その幽霊がも力のことを畏というのだということです。
 これにたいして、日本の「おに」は大きく性格が異なります。
日本語の「おに」に関する説明としては、「隠(オン)」の発音が転じて「おに」となったとする説が有力なようです。

  「隠」の字からの転とする『和名抄』の説が有力。奈良時代にも「鬼」の字は用いられているが、モノ(物)、シコ(醜)などと読まれ、オニとは読まれていない。中国の「鬼(き)」の思想、仏教の羅刹(食人鬼)や夜叉などから、オニのイメージが形成されたようである。
                      (草川昇 『語源辞典 名詞篇』 東京堂出版 2003年、47ページ)

 「隠」が変化したもので、隠れて人の目に見えないものの意という。
                      (前田富稘監修 『日本語源大辞典』 小学館 2005年、268ページ)

 恐ろしい姿をした想像上の怪物。人の形をしているが、角や牙をもち、超自然的な力を有すると考えられている。オニという語は、平安時代に初めて文献に現れる。平安初期の『竹取物語』に、「鬼のやうなるもの出で来て、殺さんとしき」とあるれいなどがそれである。
中国でいう「鬼」は死者の亡霊で、魂が体を離れてさまよう姿と考えられた。『万葉集』(八世紀)では「鬼」の字をモノと読んでいるが、これは日本で魔物・怨霊の類を古くモノ(物)と呼んだことによる。「鬼」の字をオニと読むのは、平安時代以降である。
 このオニという語について、漢語「隠」(姿の見えないものの意)から出たとする説が、平安中期の『和名抄』に出てくる。「隠」の古い字音onの末尾に母音iを添えた形で、「蘭」をラニ、「銭」をゼニ、「縁」をエニというのと同様である。オニはもともと目に見えないものと考えられていたらしい。これが仏教でいう羅刹(食人鬼)や地獄の極卒などと結びついて、恐ろしい怪物に変貌していったもの。
                      (山口佳紀編集 『暮らしのことば 新語源辞典』 講談社 2008年、189ページ)

 上に挙げたものは、いずれも『和名抄』を元に「隠」が転じて「オニ」となったとするものですが、白川静氏はそうではないと言っています。

 (GEO注:鬼は)おそろしい形をした邪悪なものと考えられている。平安期には多く見えるが、上代語の仮名書き例が無く、{万葉]では多く、「鬼(もの)」とよんでいる。しかし古い訓点例には「おに」の訓があり、仏教とともにもたらされたものであろう。見えぬものであるから、隠(おん)の字音から出たものであろうという説もあるが、隠とは「神隠れ」を言う。・・・・(中略)・・・隠は隠れたる神のことであって、人鬼ではない。
                      (白川静 『字訓』 平凡社 1987年、186ページ)


要するに、「隠」で隠れているのは「鬼」とはまったく関係のないものであり、『和名抄』の説は後世の人によるこじつけに過ぎない問い言っているのでしょう。
これはなかなか難しいもんだいですね。

・・・しかし、今回の記事は長くなりすぎましたw
今日の書き始めてから、書き終わるまでに1時間近くかかっていますw
読みにくいようでしたら、眞に申し訳ございません。




日本の鬼と中国の鬼について(1)


五十六億七千万年の孤独 さんのほうで、少し話しているのですが、
今日は少しだけ日本の鬼と中国の鬼について話そうかと思います。

日本では鬼と言うと、おそらく多くの方が牛の角に虎柄のパンツ、
金棒を持ち、体の色は赤や青といった姿を思い浮かべるかと思います。
しかし、中国ではそうではありません。
中国の鬼について、あまりはっきりとしたことはわかっていませんが、
日本語でいうところの、「幽霊」がそれに近いかと思います。
たとえば、現代語でもお化けが出た時などには、「有鬼ー!(出たあー!)」などと言って叫びます。
そうかとおもえば、漢代以前には人間に悪さをする鬼はほとんどおらず、
どちらかといえば、ありがたい存在だったようです。
このあたりは、黄虎洞さん(中林史朗先生)の鬼神の性格に關する一考察
読んでいただけるとよろしいかと思います。

このような鬼がなぜ日本において、上述したような姿になってしまったのか、私たちのご先祖様はなぜ「鬼」の字を「おに」と訓読みしたのか、私にはわかりませんが、日本の鬼と中国の鬼になんらかの共通点があったのではないでしょうか?
今日は鬼の話はこれまでにして、続きは後日に書こうかと思います。




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大学や大学院などで中国の歴史を専攻し、その後は数年、横浜の中華街で働いていたこともある人。
しかし、中国語レベルはほんの少ししかできない人。

三国志オタクだったのがどこをどう間違えたか、中国に関する色々な本を読む雑食になる。


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