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ゲームと社会


 皆様、新年あけましておめでとうございます。
 『メディアと人間の発達』は終りましたので、これからは白鳥 令編『ゲームと社会的受容の研究 -世界各国におけるレーティングの実態ー』(東海大学出版会 2003年)を読んでいこうかと思います。
 この本は、白鳥令氏をはじめ、様々な研究者が、世界各地のテレビゲームと社会、文化との関わりを述べております。なかでも、レーティングについては、特に詳しく言及されており、世界の各国々が、テレビゲームとどのように向き合おうとしているのか、この本を読めば、その姿がほんの少しだけ見えてくるのではないでしょうか。

 今回は、そのうち、白鳥令氏による、世界各国がゲームとどのように関わっているか、簡単にまとめられた概略のようなものを紹介したいと思います。

 白鳥 令「世界各国におけるゲームの社会的受容」(白鳥 令編『ゲームと社会的受容の研究 -世界各国におけるレーティングの実態ー』 東海大学出版会 2003年、1~22ページ所収)
 いかなる産業も、社会の受容なくして発展することができない。しかし、産業は、社会に一方的にコントロールされているのではなく、社会もまた産業の影響を受け、産業と社会は相互に影響しあいながら、次の新しい社会を築いていく。この相互作用の分析がこの研究の目的であり、その第一歩として、世界各国のエンターテインメントゲームの社会的規制の問題の実態を分析しようというのである。
 テレビ=コンピュータゲーム産業の最大の特徴は、急速に発展してきたことにある。この急速に発展してきた産業にたいして、ヨーロッパにおける社会の認知速度は遅い。テレビゲームは子どもにしか関係しないと考えられ、社会のテレビゲームに対する評価は否定的なものである。これら社会との摩擦回避のために、業界が打ち出したのが自主規制であった。
 販売面での業界の自主規制は、ヨーロッパにおいても、一様ではなく、これはゲーム産業の発達が早いか遅いかによるもののみならず、その社会固有の歴史や文化によっても違った形態をとっている。日本やアメリカと、ヨーロッパのゲーム事情で根本的に異なっている部分は、ヨーロッパではPCゲームが今も尚、ゲーム専用機と肩を並べる市場を有していることであり、ネットワーク対応のゲームの時代においては、ゲーム世界の先進地域として躍り出る可能性を秘めていることである。
 ゲームのコンテンツや製作・販売面における規制の形態を見ると、ヨーロッパ各国でもアメリカでも、①政府および地方自治体を含めた政府関係機関、②さまざまなかたちの業界団体、③消費者を含めた市民団体、④マスメディアという四者を見出すことができる。
 このうち、①と②によるゲームの規制にかかわる形態を見ると、表の通りとなる。

表 ゲームソフトの規制の四類型
番号モデルの名称下位分類アクターと機能形態国名
政府主導型モデル政府機関の法的規制フィンランド
B1官民協調型モデルダブルデッカー(2階建てバス)型政府機関の法的規制の上に業界の自主規制が乗る英国
B2官民並存型政府機関の法的規制と業界の自主規制が並存フランス、ドイツ
業界主導型モデル業界の自主規制のみアメリカ合衆国、スペイン
他国依存型モデルその国独自の規制が行われないスウェーデン、ロシア

 また、ゲームの規制に関して、事実上の世界共通の倫理コードとなっているのが、ソニーや任天堂などのプラットフォームメーカーが独自に行っている倫理規定である。しかし、これらは各国の文化を考慮しておらず、国別に作られてもおらず、さらには本来国境を越えて適用されるものではなく、ヨーロッパのゲームソフトウェア制作者間では、各国の規制の上にさらに積み上げられた不当な二重構造だとして批判する声も多い。
 ヨーロッパやアメリカにおけるゲームの規制の実態を調査すると、それがいかにその国の文化と密接に関わっているかを知ることになる。これらは規制のシステムのみならず、規制の項目を見ても、たとえばドイツでは「戦争の賞賛および過小視」があり、これはナチズムに対する反省から来ていることは明白である。
 最後に、日本では中古ソフトの販売と違法コピーとが問題視されているが、ヨーロッパにおいて、中古ソフトの販売がそれほど問題視されてないのに対し、海賊版の違法コピーは政府と業界が立ち上がって本格的に撲滅に立ち上がっている。
 以上が、今回の部分の要旨ですが、ゲームの規制一つ取ってみても、その背景には各国の文化や社会的な事情が反映されており、非常に面白いものとなっております。
 ゲームの規制といいますと、日本においてはCEROのレーティングをはじめとした業界の自主規制に任されており、これは「業界主導型」モデルの規制ということになりますね。
 また、ヨーロッパにおいては、中古ソフトの販売が問題にされていないが、海賊版は問題視されているというのは、どうやら、ゲームが最も売れるのは、そのゲームが発売された直後であり、中古ソフトがその時期に市場にあまり出回っていないのに対し、海賊版のほうは正規品が発売される前に市場に出回ってしまうこともあり、そのため、新作ゲームの売り上げを阻害してしまうという違いによるもののようです。こういった海賊版への対策についても、各国各様の対策が講じられており、非常に面白く思いました。




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