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【書評】沙悟浄は河童じゃない!?『西遊記の秘密―タオと煉丹術のシンボリズム 』感想・評価・レビュー

中野美代子氏の『西遊記の秘密―タオと煉丹術のシンボリズム 』感想

 「沙悟浄は河童ではない」

 そういわれたら、多くの日本人が驚くのではないでしょうか。日本でも多くの人に読まれている『西遊記』・・・、しかし、その物語の成立については、あまりきちんと理解されてはいないうに思います。今回はその『西遊記』研究の第一人者として知られる中野美代子氏の『西遊記の秘密―タオと煉丹術のシンボリズム 』の感想を書きながら『西遊記』について少し触れてみたいと思います。



 中国の古典文学に関する記事は以下の通りです。
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沙悟浄は河童ではないならば何なのか?

 まずはAmazonの『西遊記の秘密―タオと煉丹術のシンボリズム 』の紹介文を以下に乗せてみます。

内容紹介
一見いかにも荒唐無稽,でたらめだらけであるかのごとき小説『西遊記』.この作品は,実は,世界を解釈しようとするメタフィジックな欲求にとりつかれた人々がでっちあげた,壮大な知的遊戯のテキストであった.『西遊記』の中にちりばめられたタオと煉丹術のシンボリズムを解読し,隠された世界解釈の謎に迫る,全く新しい『西遊記』論.
 こんな感じ。

そもそも『西遊記』って何?



 さて、本題に入るまでにそもそも『西遊記』とは何なのか?少し確認してみたいと思います。

 そもそも『西遊記』とは何でしょうか。gooの国語辞典などにはこんな風に書かれております。

中国、明代の長編小説。四大奇書の一。100回。呉承恩(ごしょうおん)の作といわれる。唐の玄奘三蔵(げんじょうさんぞう)が、孫悟空・猪八戒(ちょはっかい)・沙悟浄(さごじょう)を供に、さまざまの苦難にあいながら天竺(てんじく)(インド)へ行って、仏典を得て帰る話。
 ここにあるように、唐の玄奘三蔵が、孫悟空、猪八戒、沙悟浄といったお供を連れ、天竺へと仏典を取りに行く話となっております。






 孫悟空・猪八戒・沙悟浄はそれぞれ、『西遊記』上では、空中戦・地上戦・水中戦を担当し、なんだか『ゲッターロボ』をはじめとした、近年のアニメ作品を彷彿とさせる設定となっております。もっとも、孫悟空・猪八戒・沙悟浄はゲッターロボのように変形・合体したりはしませんがw








 なお、中野美代子氏によると、『西遊記』と『桃太郎』は密接な関係があるようなのですが、『桃太郎』のお供たちはご存知犬・猿・雉であり、水中戦担当者が不在のため、桃太郎はあっさりと鬼ヶ島へとたどり着くのだそうです。

 また、三蔵法師の従者たちについては、日本では一般的に孫悟空=猿、猪八戒=豚、沙悟浄=河童だと解釈されております。




 しかし、猪八戒は実は、豚は豚でも、多分にイノシシのような性質を持った豚であり、イノシシと豚の中間のような妖怪だったりします。




 さらに、沙悟浄は落ち着いて考えれば当たり前なのですが、河童は日本の妖怪であり、中国の妖怪でもなければ、中国に伝わったりしたことがある妖怪でもありません。

 沙悟浄が登場する流沙河は、「河」とあるものの、砂が河のように流れるという非常に恐ろしい砂漠であり、河に住んでいるわけではないのです。




 そして、その沙悟浄は『西遊記』の原型となった作品においては、深沙神(深沙大将)という妖怪として登場します。

深神大将(Wikipedia)

 その深沙神の姿はこんな感じ。

深沙神
http://www.reihokan.or.jp/syuzohin/know/deva/jinjya/j_001.htm




 この深沙神は、流沙河にやってきた三蔵法師を何度も喰い、そのたびに三蔵法師は転生し、天竺へと目指す旅を繰り返しております。




 そして、孫悟空に関しては、そのモデルとなったと思われる話の一つに、唐代の『補江総白猿伝』に登場する白猿だと言われていたりするのですが、これは孫悟空のモデルとなると同時に、日本の「酒呑童子」の伝説にも影響を与えたという説があったりします。




 この酒呑童子の伝説には、中国の伝説上の王:黄帝と涿鹿(たくろく)の野において戦ったという戦いの神であり悪神:蚩尤(しゆう)もそのモチーフになっているのだそうです。



 このあたりの酒呑童子のお話は高橋 昌明氏の『酒呑童子の誕生―もうひとつの日本文化』を読んでみると面白いかと思います。






 頭だけで戦うというのはなんだか『機動戦士ガンダム』のジオングを彷彿とさせますw



 CAVEのシューティングゲームに『ESPRADE(エスプレイド)』にも、頭だけで戦うボスが!w

 つまり、何が言いたいかというと『西遊記』は日本のロボットアニメだとか、ゲームだとかのパクリ(ぇ

『西遊記』の作者は誰?

 また、『西遊記』の著者は、一般的に呉承恩という人物の作だとされておりますが、中野美代子氏はこの『西遊記の秘密―タオと煉丹術のシンボリズム 』の中で、それは怪しいのではないかと異を唱えております。




 『西遊記』の著者は、魯迅の『中国小説史略』などが呉承恩を作者としたことあたりから、それが通説となっていったようですが、現在においても、わずかながら、それに異を唱える研究者もいるようです。えの

Amazonなどでの『西遊記の秘密―タオと煉丹術のシンボリズム 』への評価

 以上、非常に長々と色々書いてしまいましたが、私としてはこの中野美代子氏の『西遊記の秘密―タオと煉丹術のシンボリズム 』は、非常に面白く読め、かつ勉強になりました。

 このほか、Amazonのレビューを見てみると、こんな感想が投稿されておりました。

著書は「西遊記」という作品が小説という文章の形に成されるまでに育みその内部に散りばめられた道教とシンボリズム――まるで謎解きのように絡みこまれた象徴的な道教思想を解きほぐしていく。


 当ブログで紹介した部分は、実はこの『西遊記の秘密―タオと煉丹術のシンボリズム 』の一部でしかないのですが、この本の中では『西遊記』と中国産の宗教:道教との様々な関わりを説いております。この辺りは少しわかりにくいかもしれませんが、道教の神様たちと孫悟空ら、西遊記の登場人物たちとの関わりなど、なかなか興味深い考察が多々あります。

内容自体はかなり深く面白いです。より西遊記の世界を掘り下げる良本であることは間違いありません。


 私も面白く読むことができました。『西遊記』の世界をより深い知るためには、必読の本だと思いますね。

『西遊記の秘密―タオと煉丹術のシンボリズム』ご購入はこちら(Amazon)

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